建具などすべて新しい基準にあわせてつくっています

今日のお話しは、寝室の増築をテーマにします。
『2階に寝室を増築する』です。
・法規制にあっているかチェックする
・“おかぐら”構造はとらない
敷地に規制がある場合、立体的に増築するのは、ごく一般的な手法です。計画にあたっては、まず建ぺい率、容積率のチェックをします。つぎに北側斜線、道路斜線、絶対高さなど、高さ関係もあわせて、法規制に合致しているかを確認します。
法規制の枠内で増築する面積と高さを決めたら、次に重要なのは地震や風に対する構造の検討です。
2階に増築する手法は、古来“おかぐら”という構造がとられてきました。1階の上に2階を乗せる工法ですが、柱を継ぎ足すだけで2階をつくるというものです。これでは強度が不足しますから、ちょっと強い地震がくれば継ぎ足した柱のところから壊れてしまいます。2階に増築するときに、“おかぐら”構造は避けるべきです。
建築基準法では、建物の隅柱は通し柱にしなさいという規定があります。少なくとも2階の隅柱4本は1階をつらぬいて基礎に乗せ、1階の構造物に結びつける必要があります。
一部2階建ての家で、1階のリビングの上に夫婦の寝室を増築した例です。わずか1部屋の増築ですが、きちんと設計して確認申請をだし、大工さんの手によって入念につくられました。
もちろん隅柱は通し柱にしてもらいます。防火規制も準防火地区に変わっていたので、屋根や外壁、建具などすべて新しい基準にあわせてつくっています。

リフォーム相談 開催中

今日はまた基本的なお話しをしようかと思います。
『賃貸のリフォームには制限がかなりあります』
・契約書でできることとできない事を確認する
・リフォームの事前にオーナーの承認を得ておく
●賃貸のリフォームは『現状に戻す』が基本
民間の賃貸マンションも公団・公社の賃貸住宅も、住居者が勝手にリフォームする事はできません。
壁紙の張替えのような、ささいな模様替えであっても、必ずオーナーの許可が必要です。
入居時に賃貸契約書を取り交わしますが、この中にはオーナーの負担となるものは設備機器の老朽化にともなうものが主で、畳表の取替えや障子紙、ふすまの張替え、浴槽本体の取替えなど、日常の使用によって傷んでくるものは、居住者の負担となるのが一般的のようです。
居住者が負担しなければならない改修であっても、事前にオーナーの承諾を得ておく事が、トラブル防止のもっともよい手段です。
賃貸ではいろいろな制約があっても、入居人にとっては自分の住まいだから、快適に住みたいと思うのは自然な事です。そこで居室に手を加える事になります。
オーナーの許可を得て改築するとしても、やはり限られたリフォームになってしまいます。
これまでの事例では、和室を洋室に替える、四畳半の和室についている一間の押入れを2段ベッドにする、浴室の給湯システムを刷新する、トイレの便器をウォシュレットにする、壁のクロスを貼りかえる、古くなったキッチンセットを新しくする・・・などです。
賃貸ではあまり大きなリフォームはできません。というのも、入居人が所有者でないため、退去時には現状に回復、すなわち借りた時の姿に戻さなくてはならないからです。大金をかけて住みやすくしたとしても、また元に戻すのにそれと同じか、場合によってはそれ以上の金額をかけて借りた時の姿にしなくてはなりません。そのため、最低限のリフォームで済ませる事が多いのです。
公団住宅になると、ふすまの貼り替えをして、もとよりキレイになったとしても、公団仕様のふすま紙に貼り替えなければなりません。退去時にはふすま紙まで現状回復しなければならないのです。賃貸では、退去時の事を考えてリフォームして下さいね。

リフォーム相談会 開催中

今日はリフォームの予算的なお話しをしたいと思います。
『予算内に仕上げるにはどうしたらいいか』
・リフォーム・増改築は新築より費用がかかる
・工事費だけでなく諸経費を念頭に設計を練る
リフォームや増改築の費用は、工事の内容によって大きく違ってきます。
たとえば外壁の塗装ひとつとっても、足場を組んで塗装する場合と、足場を組まないでする場合とでは、工事費はまったく違います。また、材質によっても異なります。いま人気のフローリングにするにしても、音が下の階に響きにくいものほど1㎡当たりの単価は高くなります。使う材質によっては高くも安くもできるわけです。
それに加えて、工事上のさまざまな条件によっても費用は違ってきます。リフォームや増改築はそれまでの設備を撤去して、新しい材料を運び込まなければなりません。運搬のしやすいところであればいいのですが、私道の奥で材料の運搬が大変な場合などは、費用も余分にかかります。
あるいは、浴室を新しくするだけといっても、土台に補強が必要であれば、その分の工事が必要になって、費用もグンと跳ね上がります。
リフォームや増改築は究極のオーダーメイドです。似たような工事をしたからといって、費用も同じくらいになるとは限りません。住宅を建てるときの工事費は坪単価で表すのが一般的ですが、坪単価で増改築の工事費をみますと、新築よりは割高になるのが通例です。これを念頭において予算を立てます。増改築をするのにどんな材料を使って、どのくらいの期間かかるのかを見極めて、総工事費をはじき出し、予算を作るのが理想的です。しかし、専門家以外の人が概算とはいえ、総工事費を算出するのは簡単ではありません。
むしろ、ざっくばらんにリフォーム・増改築の内容と予算を専門家に提示して、相談するのがよいでしょう。専門家はそれによって、設備のグレードや工事内容を調整し、予算額に見合った見積書を出してくれます。希望条件や設備のグレードだけが先行して、その通りの見積もってみたら、高いといわれる事がよくあります。見積もる側にとっては、はじめに大体の予算額を聞き、それにあった増改築の計画を作るほうがやりやすいのです。
費用は工事費だけではありません。設計料、役所への届け出などの費用、仮住まいの費用、税金まで、すべて予算に計上し、総合的な予算計画とする事が必要です。それでも、不確定要素や工事の変更もあります。その費用もみておかなければなりません。余裕をもった予算をたてましょう。なお、リフォームローンについては、また後日じっくり説明しますね。